【ネタバレ注意】「笠地蔵」-昔話界隈最強のGiverジジイ-
「笠地蔵」という昔話がある。
そう、雪が降りしきる中で地蔵の群れにピンポンダッシュされる奇妙なあのお話。
一応あらすじを書いてみると、
昔々あるところに貧しいが心の優しいおじいさんとおばあさんが住んでいた。
雪深い山の中に住むふたりは、正月を迎えるにも米一粒すら残っていなかったのでおじいさんはおばあさんが作った笠を町で売ることにした。
町についたおじいさんは笠を売りましたが、全く売れなかった。
帰り道、ちらちらと雪が降り始め、峠に差しかかったときにはすっかり吹雪になった。
ふと見ると、道端にお地蔵さんが六つ並んでいる。
お地蔵さまの頭にも肩にも、雪が積もっている。
これを見たおじいさんは、そのまま通り過ぎる事が出来なかった。
おじいさんはお地蔵さまに、売るつもりだった笠をかぶせてやった。お地蔵さんは6つ、笠は5つしかなかったので、足りないぶんは自分の手拭をまいてやった。
そして家に帰り、そのことをおばあさんに話すと、それは良いことをしたと言い、おばあさんも喜んだ。
さて、その夜ふたりが寝ていると、外で物音がする。出てみるとそこには米・野菜・果物・着物などが山のように置いてあった。見ると、道を引き返していく六人のお地蔵さんの姿が見えた。
こうしてふたりは幸せな正月を迎えることができたとさ。
諸説あるがまあ大体こんなニュアンスだろう。
この話を何十年ぶりに読み返してみると、あることに気づかされる。
死ぬほどひもじい大晦日でさえ、見返りを求めずgiveしまくるジジイ。
それも人間相手ではなく、地蔵集団。
傍から見ればただの老害である。
しかしこのジジイこそ、僕たちが目指すべき最強のGIVERなのだ。
世の中にはTaker,Matcher,Giverの3種類の人間がいる。
そして成功するのはGiverだ。
だからGiverになれ。
こんなことを誰かに突きつけられた時、衝撃が走ったのを今でも覚えている。
根っからのTakerだった当時の自分にその真理は、
あまりにも残酷で、惨たらしくて、それでいて奇抜で斬新に思えた。
でも、決してそんなことはなかったのだ。
物心ついた時から、昔話を通じて
Giverになれ。
と僕は言われていたのだ。
僕はGiverが成功することを昔から知っていたのだ。
それが年を重ねるたびにひねくれ、ねじ曲がり、いつしかTakerになってしまっていた。
幼い自分を思いだし、最強のGiverジジイになろう。そう思った。
この記事を読んで笠地蔵のジジイになりたいと思った人は是非、
渋谷のセンター街でこれでもかと地蔵している僕に笠をお恵みください。笑